特集 便秘・下痢―医師必見のUp-to-Date 2020
下痢をきたす疾患(各論)
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・Crohn病)
髙橋 索真
1
,
稲葉 知己
1
,
大谷 弘樹
2
,
岡本 吉生
3
,
近石 昌子
4
1香川県立中央病院消化器内科/IBDセンター
2香川県立中央病院IBDセンター/消化器・一般外科
3香川県立中央病院IBDセンター/小児科
4香川県立中央病院IBDセンター/看護部
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
pp.81-85
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_81
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Summary
▪潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn病(CD)は炎症性腸疾患(IBD)の代表的な疾患である.
▪両疾患とも本邦での患者数は急激に増加している.根本的な原因は解明されていないが,遺伝要因を背景に,さまざまな環境因子が発症や疾患経過に影響しているものと推測される.
▪UCは主として大腸にびらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症である.CDでは小腸・大腸を中心に浮腫や潰瘍を認め,腸管狭窄や瘻孔,肛門病変など特徴的な病態を生じる.両疾患とも診断には内視鏡検査や組織学的検査,細菌学的検査などが必要で,感染性腸炎や他のIBDなどの鑑別が重要である.
▪治療の詳細は「潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針」の最新版を参照されたい.薬物療法,栄養療法,血球成分除去療法,外科的治療など治療の選択肢は多岐にわたることから,多職種による連携が重要である.
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