特集 血算を極める
血算の異常の鑑別診断
幼若細胞出現の鑑別診断
竹中 克斗
1
1愛媛大学大学院医学系研究科血液・免疫・感染症内科
キーワード:
幼若白血球
,
急性白血病
,
重症感染症
,
類白血病反応
Keyword:
幼若白血球
,
急性白血病
,
重症感染症
,
類白血病反応
pp.739-741
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_739
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Summary
▪末梢血液中に,時として,成熟血球のみならず芽球などの未熟細胞や幼若細胞(幼若白血球),赤芽球,あるいは異常細胞の出現がみられることがある.
▪骨髄芽球から後骨髄球までが幼若細胞(幼若白血球)に該当する.幼若細胞は通常,骨髄に存在し,末梢血には成熟好中球である桿状核球,分葉核球しかみられない.
▪末梢血に幼若細胞が出現する原因には,大きく分けて腫瘍性と反応性があり,その鑑別を進めることが重要である.
▪腫瘍性の原因としては,急性白血病,骨髄異形成症候群,慢性骨髄性白血病などの造血器腫瘍のほか,固形がんの骨髄転移があげられる.反応性としては,重症細菌感染症や類白血病反応が原因としてあげられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2020