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第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
小児・AYA世代急性白血病に対する造血細胞移植の現状と展望
Current status and future perspective of hematopoietic cell transplantation for pediatric, adolescent, and young adult acute leukemia
梅田 雄嗣
1
Katsutsugu UMEDA
1
1京都大学大学院医学研究科発達小児科学
キーワード:
急性白血病
,
造血細胞移植
,
小児
,
AYA(思春期・若年成人)世代
Keyword:
急性白血病
,
造血細胞移植
,
小児
,
AYA(思春期・若年成人)世代
pp.50-54
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2800150
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急性リンパ性白血病(ALL),急性骨髄性白血病(AML)はいずれも分子遺伝学的特徴や化学療法の反応性などの予後因子に基づく治療層別化が進んでいる.そして,化学療法のみでは再発リスクが高い初発の超危険群例と,化学療法により再度寛解を達成した大半の再発例に対して根治目的に同種造血細胞移植(HCT)が実施される.また,最近開発された分子標的薬や免疫細胞療法などの新規治療の導入により,同種HCTの適応は今後さらに変化していく可能性が高い.前処置強化による移植成績の向上には限界があり,成績向上を目指して移植前治療の追加による残存腫瘍量の減少,移植後再発の予防または早期治療介入などが試みられている.また,従来の骨髄破壊的前処置(MAC)を用いた同種HCTを受けた小児・AYA(思春期・若年成人)世代症例では晩期合併症が問題となっており,その軽減を目指した毒性減弱前処置(RTC)が徐々に普及している.さらに,重症移植片対宿主病(GVHD)の発症頻度や移植関連死亡率が高いAYA世代症例では新規GVHD予防として移植後シクロホスファミド(PTCY)法の導入が期待される.
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