特集 血算を極める
血算の異常の鑑別診断
赤血球増多の鑑別診断
桐戸 敬太
1
1山梨大学医学部血液・腫瘍内科
キーワード:
真性多血症
,
JAK2遺伝子変異
,
エリスロポエチン
Keyword:
真性多血症
,
JAK2遺伝子変異
,
エリスロポエチン
pp.711-715
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_711
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Summary
▪赤血球増加症の鑑別にあたっては,問診として家族歴・喫煙の有無および併用薬剤(とくにSGLT2阻害薬)にまず注目する.
▪身体所見では,慢性的な低酸素状態がないかや,末梢血酸素飽和度などに注目して診察を進める.
▪臨床検査としては,まずエリスロポエチン濃度とJAK2遺伝子変異の有無を検索する.エリスロポエチン濃度が上昇している場合には,全身性あるいは腎局所での低酸素状態を引き起こす疾患の有無,エリスロポエチン産生腫瘍の有無について検討する.
▪まれではあるが,酸素親和性の高いヘモグロビン異常症の可能性にも注意する.
▪JAK2遺伝子変異が検出された場合には,真性赤血球増加症を考える.
© Nankodo Co., Ltd., 2020