特集 リンパ腫診療―診断の入り口から治療まで
各病理組織型のリンパ腫の治療
慢性活動性EBウイルス感染症
-WHO2017に基づいたリアルワールドデータ
平川 経晃
1
,
新井 文子
1,2
1聖マリアンナ医科大学内科学(血液・腫瘍内科)
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科血液疾患治療開発学
キーワード:
慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症
,
Epstein-Barrウイルス
,
造血幹細胞移植
,
ruxolitinib
Keyword:
慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症
,
Epstein-Barrウイルス
,
造血幹細胞移植
,
ruxolitinib
pp.269-273
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_269
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Summary
▪慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症(CAEBV)は,Epstein-Barrウイルス(EBV)に感染したTまたはNK細胞が活性化するとともに,クローナルに増殖し,全身の炎症を経て,血球貪食症候群や治療抵抗性リンパ腫を生じる疾患である.
▪乳児から高齢者まで幅広い年代に患者が存在する.
▪臨床症状は,発熱,肝脾腫,リンパ節腫脹が多いが,多彩な炎症症状を示すことが特徴である.
▪診断にはEBVのTまたはNK細胞への感染の証明が必要で,末梢血を用いた解析が有用である.
▪化学療法のみで根治は得られず,治癒のためには造血幹細胞移植が必須である.
▪疾患活動性を抑える治療薬の開発は急務で,JAK1/2阻害薬ruxolitinibの有効性を検証する医師主導治験が行われている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021