特集 皮疹から疾患を考える
皮膚症状から考える皮膚疾患,内科疾患
毛の異常
福山 雅大
1
,
木下 美咲
1
,
大山 学
1
1杏林大学医学部付属病院皮膚科
キーワード:
毛周期
,
瘢痕性脱毛
,
非瘢痕性脱毛
,
多毛症
Keyword:
毛周期
,
瘢痕性脱毛
,
非瘢痕性脱毛
,
多毛症
pp.435-438
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_435
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪毛(毛髪)の異常(脱毛症,多毛症)は種々の原因により生じ,内科疾患の一症状として現れることがある.
▪脱毛症は毛包自体が傷害され毛が保持できなくなり生じるものと,毛周期(毛の生えかわりのサイクル)の異常により生じるものとに大別される.前者は幹細胞の傷害の有無により,非可逆性の瘢痕性脱毛症と非瘢痕性脱毛に分けられる.膠原病では比較的前者,内分泌・代謝疾患や薬剤性では後者が多い.
▪主として体毛の多毛症は薬剤性のものが多いが,男性ホルモン産生性腫瘍など内分泌異常に起因するものもあることを忘れてはならない.
▪毛の異常が生じる部位や発症時期,随伴症状,薬剤投与歴などを詳細に把握することで,全身疾患の早期診断および治療介入が可能となる場合がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020