被髪頭部の脱毛斑の自毛植毛術による治療の検討―瘢痕性脱毛と先天性三角脱毛―

Autologous hair transplantation for hair loss spots on scarring alopecia and congenital triangular alopecia

●瘢痕性脱毛や先天性三角脱毛に対して，自毛植毛術の有効性を具体的な症例を交えて検討，紹介する．

●自毛植毛術の方法としてfollicular unit transplantation（FUT）やfollicular unit extraction（FUE）などがあるが，総合的にFUEのほうがメリットが大きい．

●脱毛斑には鑑別すべき疾患が多数存在する．移植毛の生着の可否を左右するため，正確な臨床診断が重要である．

●男性型脱毛症（androgenetic alopecia：AGA）以外でも脱毛症に悩んでいる患者は多い．脱毛部の単純縫縮が困難な場合や行っても再度大きな瘢痕を生じる可能性が高い症例に対しては，自毛植毛術は選択すべき治療法と考える．

（「ポイント」より）