Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
3.新しい検査法と診断法
横断(水平断)切片による脱毛症診断
Use of transverse sections for the diagnosis of hair loss diseases
大山 学
1
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
脱毛症
,
病理診断
,
横断(水平断)切片
,
量的診断
,
毛周期
Keyword:
脱毛症
,
病理診断
,
横断(水平断)切片
,
量的診断
,
毛周期
pp.75-78
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204406
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
summary
脱毛症でも病理組織診断は病態の把握に重要な意味をもつ.脱毛症の病理学的解釈においては炎症の性状,部位など一般の皮膚疾患の病理診断で必要とされる「質的」な診断所見に加えて,成長期毛と休止期毛の割合,毛包のミニチュア化の程度といった「量的」な所見が大変重要になる.広く診断に用いられる縦断切片では,大きな標本でも含まれる毛包数は限られ,量的な診断には適さない.4mmパンチ生検は侵襲も少なく,採取された標本を横断して得られる切片には理論的に標本に含まれるすべての毛包が含まれる.人種ごとの正常の標準値も報告されているので解釈も容易である.また,標本を漏斗部,峡部,毛球上部,毛球部のレベルに分けることで炎症の局在などを知ることも可能である.ただし,表皮真皮境界部の炎症所見の診断は困難であり縦断切片と横断切片を組合わせた系統的病理診断が望まれる.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.