特集 内分泌Up To Date
副 腎
副腎偶発腫とサブクリニカルクッシング症候群
坂本 竜一
1
1九州大学大学院医学研究院病態制御内科学(第三内科)
キーワード:
副腎偶発腫
,
サブクリニカルクッシング症候群
,
1mg dexamethasone抑制試験
Keyword:
副腎偶発腫
,
サブクリニカルクッシング症候群
,
1mg dexamethasone抑制試験
pp.2477-2481
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2477
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Summary
▪近年,画像検査で偶発的に発見される副腎偶発腫が増加している.
▪副腎偶発腫には,手術適応となる悪性腫瘍やホルモン産生腫瘍が30%程度含まれているため,精査が必要である.
▪良悪性の鑑別にはCT,MRI所見に加え,血中DHEA-S値が有用である.
▪ホルモン産生能の評価には,1回のホルモン測定(ACTH,コルチゾール,レニン活性,アルドステロン,尿中メタネフリンなど)のみでは不十分で,1mg dexamethasone抑制試験によるサブクリニカルクッシング症候群(SCS)のスクリーニングも行う.
▪SCSの手術適応は,コルチゾール産生の程度,合併症の有無などを考慮して決定する.
▪悪性,機能性いずれも否定された腫瘍についても,その後の定期的なフォローアップは必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019