連載 こんなとき,漢方薬が味方になります! ~漢方医が伝授する実践的な処方のノウハウ~
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田中 耕一郎
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1東邦大学医療センター大森病院東洋医学科
pp.2355-2355
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2355
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漢方は東アジアの日本,中国,韓国,台湾で普及している医学体系である.現在,中国にも韓国にも,“漢方医” と “西洋医” という異なった二つの医師免許がある.そして漢方の病院と西洋の病院とが別々に設立され,独自に医療が行われている.患者は自身の判断でどちらかを選択するようになっている.一方,日本では,大学医学部では現代医学の教育を主とし,免許は一つに統一されている.そして,卒後の研鑽を通じて,一人の医師が両方を駆使することが可能となっている.これは日本独自の特色であり,現代医学に漢方という他の選択肢を織り込むという点で,世界的にみれば理想の環境にある.中国は,日本の今の状況から学ぼうとしているくらいである.
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