特集 2019年の白血病診療―新たな武器を上手に活用するために
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フィラデルフィア染色体様(Ph-like)急性リンパ性白血病の診断と治療
小野 林太郎
1
,
真部 淳
2
1聖路加国際病院小児科
2北海道大学医学部小児科
キーワード:
Ph-like ALL
,
遺伝子解析
,
チロシンキナーゼ阻害薬
,
JAK阻害薬
Keyword:
Ph-like ALL
,
遺伝子解析
,
チロシンキナーゼ阻害薬
,
JAK阻害薬
pp.2167-2169
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2167
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Summary
▪遺伝子解析技術の進歩により,Ph+ ALLと類似した遺伝子発現パターンを呈するB前駆細胞型ALLの一群が同定された.
▪Ph-like ALLではIKZF1の遺伝子異常に加え,ABL1関連遺伝子やJAK関連遺伝子異常など,キナーゼ遺伝子の変異を高率に伴うことが示されている.
▪Ph-like ALLは男児に多く,初診時白血球数が多く,また寛解導入療法後のMRD陽性例を多く認める.
▪当初は予後不良と考えられていたが,MRDによる治療層別化により,その他のB前駆細胞型ALLと同等の成績が得られている.
▪チロシンキナーゼ阻害薬やJAK阻害薬による治療効果が期待され,今後前向き臨床試験での検証が望まれる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019