特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第3章 耳鼻咽喉科
痙攣性発声障害
讃岐 徹治
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.1859-1861
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1859
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痙攣性発声障害とは
痙攣性発声障害は,喉頭筋の不随意的痙攣様異常運動によって発声中に声の詰まりや途切れ,ふるえをきたす原因不明の疾患である.現在は喉頭に限局したジストニアと考えられている.声帯内転筋である甲状披裂筋および外側輪状披裂筋が関与する内転型,声帯外転筋である後輪状披裂筋が関与するとされる外転型,内転と外転型が混在する混合型に分類される.内転型では発声時に声帯が内転して声門が過閉鎖されることで発声中の呼気流が遮断され,外転型は発声時に声帯が不随意的に外転して声の変化を呈する.内訳は約90~95%が内転型,5%程度が外転型で,混合型はまれである1,2).年齢分布や性差にも特徴があり,年齢は20~30歳代女性が比較的多いと本邦で報告されている2,3).
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