特集 緊急受診してくる呼吸器疾患―「息が苦しい」という患者が来院したとき,どのように対応できますか?
呼吸器の救急疾患
自然気胸
中野 千裕
1
1東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
キーワード:
自然気胸
,
胸腔ドレナージ
,
肺囊胞
Keyword:
自然気胸
,
胸腔ドレナージ
,
肺囊胞
pp.45-48
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_45
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Summary
▪気胸は原発性自然気胸と続発性自然気胸に分類され,多くは肺囊胞の破綻により発症する特発性自然気胸である.
▪続発性自然気胸の基礎疾患としては肺気腫症が最も多いが,特発性肺線維症,膠原病肺,Langerhans細胞組織球症(肉芽腫症),リンパ脈管筋腫症,AIDS患者のPneumocystis jirovecii感染症,サルコイドーシス,異所性子宮内膜症など囊胞を生じる疾患に好発する.
▪臨床症状,身体所見から気胸を疑い,胸部単純X線像で診断する.
▪軽度気胸では外来で経過観察し,中等度以上では原則として入院のうえドレナージを行う.
▪難治性,重篤な基礎肺疾患のある気胸などは専門医にコンサルトする.
▪再発予防のための禁煙指導も重要である.
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