特集 緊急受診してくる呼吸器疾患―「息が苦しい」という患者が来院したとき,どのように対応できますか?
検 査
胸部CT
角川 智之
1,2,3
1国立病院機構山口宇部医療センター呼吸器内科
2防府リハビリテーション病院内科
3長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学
キーワード:
肺血栓塞栓症
,
血痰
,
喀血
,
びまん性肺胞傷害(diffuse alveolar damage:DAD)
Keyword:
肺血栓塞栓症
,
血痰
,
喀血
,
びまん性肺胞傷害(diffuse alveolar damage:DAD)
pp.41-44
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_41
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Summary
▪救急受診してくる呼吸器疾患患者の診療において,胸部CTはきわめて有用である.
▪胸部単純X線像では病変の分布を俯瞰的に把握することはできるが,肺内の微細な変化を鋭敏に捉えることはできない.胸部CTを行うことにより,より詳細に肺内病変の性状を把握することができ,診断を的確に絞り込むことができる.
▪造影検査を行うことができることも胸部CTの強みである.血痰・喀血の原因血管の同定や,肺血栓塞栓症の診断に有用である.
▪もちろん放射線被曝を最小限にする努力も必要であり,適応を的確に判断する必要がある.
▪上手に胸部CTを使いこなすことにより,救急受診してくる呼吸器疾患患者の早期診断,早期治療に結びつけるようにしたい.
© Nankodo Co., Ltd., 2019