特集 肝臓病学の未来―ウイルス性肝炎から脂肪肝と肝がんの時代へ
NAFLD/NASH
アルコール摂取量が脂肪肝に与えるインパクト
今 一義
1
1順天堂大学医学部消化器内科
キーワード:
アルコール性肝障害
,
NAFLD
,
NASH
,
ALDH2遺伝子多型
Keyword:
アルコール性肝障害
,
NAFLD
,
NASH
,
ALDH2遺伝子多型
pp.1143-1146
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1143
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Summary
▪アルコール摂取量は脂肪肝の発症・増悪に密接に関わる因子であり,アルコール代謝経路の活性化の結果として,肝細胞におけるde novo脂肪酸合成の亢進,糖新生の抑制,脂肪酸β酸化の抑制,細胞外輸送の減少,脂肪組織からの脂肪酸の輸送増加が生じて脂肪肝発症を促進する.
▪ALDH2遺伝子多型は飲酒習慣,アルコール依存症のリスク,アルコールへの反応性と関連し,アルコール性肝障害の発症リスクに深く関与する.
▪肥満はアルコール性肝障害の増悪因子であり,近年,肥満を伴うアルコール性肝障害患者が増加傾向である.
▪NAFLDにおける「少量飲酒」は病態を悪化させている可能性があり,いわゆるアルコールの「適量」をそのまま肥満患者に適応するのは危険である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019