特集 肝臓病学の未来―ウイルス性肝炎から脂肪肝と肝がんの時代へ
C型肝炎
診断のポイント:肝発がんリスク症例を絞り込むためには
森川 賢一
1
,
中村 晃久
1
,
梅村 真知子
1
,
島崎 とも江
1
,
坂本 直哉
1
1北海道大学大学院医学研究院内科学分野消化器内科学教室
キーワード:
C型肝炎ウイルス
,
病原性
,
発がんリスク
Keyword:
C型肝炎ウイルス
,
病原性
,
発がんリスク
pp.1071-1075
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1071
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Summary
▪C型肝炎ウイルス(HCV)はいったん人体へ侵入すると高率に持続感染を成立させ,慢性肝炎,肝硬変,肝がんへと進行する.
▪近年の治療薬の進歩により,これまでは治療適応でなかった高齢者や線維化進展例も含んだ実臨床においても95%以上のウイルス排除が見込める時代となった.
▪本邦のC型肝炎患者は高齢化が進んでおり,ウイルス排除後の発がんリスクに関しては低下するものの,消失しないこともわかってきた.
▪肝がんの早期発見・治療のために,線維化および発がんリスクマーカーなどを組み合わせ,適切な間隔でサーベイランスを継続する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019