特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅸ章 高齢者における薬剤使用の注意点
5.鎮痛薬
石井 伸弥
1
Shinya ISHII
1
1東京大学医学部附属病院老年病科
pp.928-932
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_928
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Summary
▪高齢者では疼痛が広くみられ,また疼痛に伴う有害事象も多く重篤である一方,十分な評価,治療がなされていないことが多い.
▪痛みによる日常生活機能や認知機能,情動,QOLへの影響も含めて日常的に痛みの評価を行うことが重要である.
▪原因疾患としては,とくに筋骨格系疾患が多い.第一選択薬としてacetaminophenが用いられることが多い.NSAIDsや弱オピオイドは副作用に注意しつつなるべく必要最低限用いる.とくに慢性疼痛において神経障害性疼痛の割合が多いため,鎮痛補助薬も有効に使っていく.
▪高齢者では多疾患に対して多剤が用いられていることが多く,他疾患や薬剤相互作用に注意しつつ治療法を選択する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018