特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅸ章 高齢者における薬剤使用の注意点
6.睡眠薬・抗不安薬
水上 勝義
1
Katsuyoshi MIZUKAMI
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科
pp.933-937
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_933
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪睡眠薬には,ベンゾジアゼピン受容体作動薬(ベンゾジアゼピン系,非ベンゾジアゼピン系),メラトニン受容体作動薬ramelteon,オレキシン受容体阻害薬suvorexantなどがある.
▪高齢者に睡眠薬は有効であるが,副作用に注意が必要である.ベンゾジアゼピン系睡眠薬は認知機能の低下,転倒,骨折などのリスクがある.非ベンゾジアゼピン系睡眠薬にも同様のリスクが報告されている.
▪日中のベンゾジアゼピン系抗不安薬の使用は,睡眠薬以上に認知機能や身体機能の影響が大きい.認知症では薬剤使用によりさらなる認知機能の悪化をきたしやすい.
▪認知症の不眠に対するエビデンスはきわめて乏しい.trazodoneや漢方薬などの活用も一法である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018