特集 一般診療の薬 Essential Medicine 80
鎮痛薬
後明 郁男
1,2
1紀和病院緩和ケア科
2緩和医療研究所
キーワード:
鎮痛
,
がん疼痛
,
貼付製剤
Keyword:
鎮痛
,
がん疼痛
,
貼付製剤
pp.559-565
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100114
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【NSAIDs(non-steroidal anti-inflammatory drugs)】
ボルタレン(R)(ジクロフェナクナトリウム)
■症例①
22歳の男性.生来健康.体重60 kg.自動二輪車で走行中に転倒し,右鎖骨を骨折.即日,入院のうえ,翌日に全身麻酔下で固定術を受けた.術後の痛みの訴えに対し,ボルタレン(R)サポ50 mgを直腸内投与したところ,30分後くらいから痛みが和らぎ,数時間以上にわたり良好な鎮痛を得た.1日2回,術後2日間使用した.
■症例②
35歳の女性.月経困難症で,月経時に一致して数日間,軽作業も困難な強い腰痛がある.月経時にボルタレン(R)25 mg錠を1回2錠(50 mg)で1日2回まで,とくに痛みが強い時に頓服することで,日常生活に支障のない程度の鎮痛状態を得ている.なお,ボルタレン(R)錠の服薬期間が数日に及ぶので,胃粘膜保護薬を併用している.
■通常の使い方
通常,成人には,変形性関節症や腰痛などで連用する時は,25 mg錠を1日3~4錠を,原則として毎食後に分服する.頓用の場合は1回2錠を1日2回まで用いるか,坐薬(サポ12.5 mg,25 mg,50 mg)を1日1~2回挿肛する.1~2日の短期間では胃粘膜保護薬の併用は必要ないが,それ以上の期間の連用では,ミソプロストールなどの胃粘膜保護薬を併用したほうが良い.
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