Book Review
今日の臨床検査2017-2018
前川 真人
1
1浜松医科大学医学部臨床検査医学教授
pp.88-88
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_88
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- 文献概要
臨床検査関係の書籍は大別して2種類の系統に分けられると思う.1つはいわゆる検査項目の辞典のようなもので,それぞれの検査項目を辞書のように調べる目的のものである.もう1つは,系統的に疾患群別に心臓循環器の検査や肝機能検査などという括りのなかで,検査項目も説明されていく教科書的なものであり,比較的説明されている検査項目の数は少ない.本書は,その折衷案的な体裁をもっているだけでなく,膨大な検査項目の説明がなされている.それにもかかわらず,コンパクトな作りになっており,持ち運びで重い感じはないというのが第一印象である.
中身を順次みていこう.構成としては,最初に「臨床検査 最近の動向」で,臨床検査領域におけるトピックスを扱っている.今版では,エクソソーム解析,クリニカルシーケンス,国際標準検査管理加算とISO 15189施設認定,多項目実用参照物質(MaCRM),うつ病のバイオマーカー,歯周病のスクリーニング検査の6つが取り上げられているが,いずれも非常に新しいキーワードであり,その時点で何が選ばれているのかにも興味がもたれる.次に,主要病態の検査として,27個の疾患・病態の検査が簡潔にまとめられている.適宜,最新の疾患ガイドラインも掲載されており,さらに各検査項目の解説のページが示されているため,すぐにそのページを参照することもできる.
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