Book Review
皮膚疾患最新の治療2017-2018
飯塚 一
1,2
1旭川医科大学名誉教授
2廣仁会札幌乾癬研究所所長
pp.1361-1361
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1361
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- 文献概要
医学における近年の治療の進歩には驚くべきものがあり,このことは皮膚科領域においても例外ではない.診療に携わる医師は,したがって,常に最新の情報を入手しつつ,日々の診療に対処していくことが求められる.本書は2年ごとに内容を見直し,改訂を繰り返しながら現在にいたっているこの分野では定評のある治療ガイドブックであるが,今回も適切に選定された執筆者による,簡潔かつ時宜にかなった記載は,よくその期待に応えている.
最新の治療と銘打つからにはアップデートなものでなくてはならない.本書の冒頭にトピックスとして並べられている各種ガイドラインの検証は,これらのガイドラインが日本皮膚科学会主導で,新規に,また矢継ぎ早に改訂を繰り返しながら公表されている昨今の状況では,きわめて重要な情報源であり,エビデンスのある治療は何かという点についての基礎資料となっている.同じく冒頭トピックスにおかれたヒドロキシクロロキンについても,本剤が,編集にあたった古川名誉教授をはじめとする関係者の努力で,わが国でもループスエリテマトーデスの,とくに皮膚病変に対する有力な治療選択肢になったことは誠に喜ばしいことではあるが,ここから先はスペシャリストとしての皮膚科医の責任であり,使用にあたっては当該項目の記載を熟読し,注意点,副作用を忘れることなく臨床応用していくことが求められる.
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