検査じょうほう室 生化学:わかっていれば見落とさない
臨床的意義が重複する検査項目間で異常な検査結果の原因を推定した例
劉 澤軍
1
,
前川 真人
1
1浜松医科大学臨床検査医学教室
pp.1426
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906465
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いろいろな検査項目のうち検査項目の臨床的意義が重複する部分がある.筆者らはその部分を利用して,ほかの検査結果が妥当かどうかを評価できた例を示す.
表1は,ある患者の生化学検査の結果である.検査データのうちLDは502IU/lと高値(基準範囲110〜240IU/l)であり,HBD活性は,22IU/lと非常に低値(基準範囲74〜182IU/l)である.これには病態矛盾がある.HBD活性は主としてLD-1アイソエンザイムにほぼ対応するので,もしLD-1活性が高くなったら,HBD活性も高くなるはずである.
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