特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《上部消化管領域》
ヒスタミン受容体拮抗薬
浅岡 大介
1
Daisuke ASAOKA
1
1順天堂東京江東高齢者医療センター消化器内科
キーワード:
nocturnal gastric acid breakthrough(NAB)
,
認知機能低下リスク
,
せん妄リスク
Keyword:
nocturnal gastric acid breakthrough(NAB)
,
認知機能低下リスク
,
せん妄リスク
pp.223-225
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_223
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Summary
▪ヒスタミン受容体拮抗薬の登場により画期的な消化性潰瘍の治療成績がもたらされ,外科手術が激減した.
▪ヒスタミン受容体拮抗薬は酸分泌抑制効果の立ち上がりの速さや夜間酸分泌抑制効果の特徴を有し,出血性消化性潰瘍やnocturnal gastric acid breakthrough(NAB)などに対して今後も重要な酸分泌抑制薬の一つである.
▪近年,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期投与による骨折やClostridium difficile感染症(CDI)のリスクが高まることが報告されているが,ヒスタミン受容体拮抗薬はPPIより骨折やCDI感染症のリスクは低いことが報告されている.
▪腎機能低下例では,腎排泄型のヒスタミン受容体拮抗薬は慎重に投与する必要がある.
▪高齢者では認知機能低下やせん妄を引き起こすリスクがあるため可能な限り使用を控えることが望ましい.
© Nankodo Co., Ltd., 2018