今月の主題 消化性潰瘍とその周辺
消化性潰瘍の管理
ヒスタミンH2受容体拮抗薬使用後の再発
中村 孝司
1
1帝京大学・第3内科(市原病院)
pp.462-463
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221581
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■再発防止についての考え方の変遷
ヒスタミンH2受容体拮抗薬(以下H2ブロッカー)の出現する以前から,潰瘍の再発抑制には治癒後も治療を継続することが有効であることは一部で主張されていたが1),維持療法の必要性は一般には必ずしも認識されず,主治医が適当に行うという状況が長く続いていた.しかしH2ブロッカーが登場すると,それまでに比べて潰瘍がきわめてよく治癒する一方,治癒後H2ブロッカーを中止するとその後の再発率が驚くほど高くなることが報告されはじめ1),その対策として維持療法が重要であることが広く認識されるようになって,今日では潰瘍の治癒後直ちに投薬を中止することなく,適切な維持療法を続けることが常識となってきた.
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