特集 咳、痰のみかた
咳と痰の治療のまとめ
咳嗽・喀痰を認める患者で,肺抗酸菌症と真菌症を疑う際のアプローチ
-肺結核症を中心に
冨島 裕
1
Yutaka TOMISHIMA
1
1聖路加国際病院呼吸器内科
キーワード:
肺結核症
,
非結核性抗酸菌症
,
肺真菌症
,
喀痰抗酸菌培養
Keyword:
肺結核症
,
非結核性抗酸菌症
,
肺真菌症
,
喀痰抗酸菌培養
pp.1151-1154
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1151
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Summary
▪慢性咳嗽で原因が不明である,もしくは治療効果が思わしくないときは肺結核症を鑑別に入れ,CTを含めた胸部画像検査を躊躇しない.
▪肺結核症を疑うときは喀痰を3回提出し,そのうち塗抹検査を3回,培養検査を3回,PCRを1回行う.培養が陽性となったら菌同定検査を追加する.
▪結核の診断をしたら,速やかに保健所へ連絡が必要である.
▪非結核性抗酸菌や真菌は,痰で検出してもコンタミネーションの可能性があり,症状や画像と合わせた総合的な評価が必要である.
▪血清学的な検査よりも微生物学的検査が重要である.
▪安易な抗菌薬処方には,結核菌のニューキノロン耐性,MAC菌のマクロライド耐性を引き起こすリスクがある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018