Book Review
新 英語抄録・口頭発表・論文作成 虎の巻―忙しい若手ドクターのために
坂田 泰史
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1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学教授
pp.1296-1296
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1296
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- 文献概要
偉そうにしている先輩方もかつては未熟者であり,多くの人は学会抄録,発表そして論文化に苦労していた時期があったはずである.ましてや,英語での発表となると,前の日から緊張して眠れないというようなことも経験した方は多いに違いない.では,どうやってそれを乗り越えてきたか.今までは数多くの失敗を繰り返し,身につけていくしかなかったのである.筆者も,大学院のときはどんなに指導教官に怒られたことであろう.今でもその経験は生きているが,そのときこの本があればどんなに平和な日々を送ることができただろう,そう思わせるのが,上松正朗先生の大ベストセラー「英語抄録・口頭発表・論文作成 虎の巻」の改訂版である.
まず,旧版に比べ,レイアウトが一新され,さらに読みやすくなっている.オレンジを基調とした見出しも見やすく,参考にしたい項目もすぐわかるようになった.大きく改訂されたところは,インターネット環境がこの10年で激変していることに合わせ,PubMed検索などインターネットでできることについてより詳しく述べられている点である.ただし,電子辞書の有用性を強調されるなど,このインターネット時代においても,最良の方法は最新の方法に限らないという姿勢は貫かれている.また,ポスターディスカッションが増えている現状より,「話すための英語」の項が追加された.もちろん,一世を風靡した(?)「Sushi Therory」は冒頭から健在である.
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