Book Review
感染症の診断って、こんなちょっとしたことで差がついちゃうんですね。
國島 広之
1
1聖マリアンナ医科大学感染症学講座教授
pp.1368-1368
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1368
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- 文献概要
本書は,感染症医と臨床微生物検査技師,専門家によって著された良書である.近年,多くの病院でインフェクションコントロールチーム(ICT)が活動し,抗菌薬の適正使用(antimicrobial stewardship)が推進されつつある.その活動のスタートラインとなるのは,より質の高い微生物検査を含めた適切な診断であることは言うまでもなく,「こんなちょっとしたこと」による大きな「差」を丁寧に解説している.
本書は4章で構成されている.第1章は「大きな声では聞きにくい感染症診断のキホンをそっと聞いてみる。」として,喀痰,血液,便,尿,抗原検査,特殊検査など9項目である.なかでも検体採取に関わる注意事項,目的菌を伝えるメリット,血液培養の採取時間の記載,各種塗抹・培養検査,薬剤耐性検査,抗原検査の位置づけ,検体保存など,感染症検査では検査技師とのコミュニケーションが不可欠といわれるのはなぜか,具体的にどのような理由で重要かが詳細に述べられている.
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