特集 内科医と睡眠障害―睡眠障害の診断と治療をプライマリ・ケアに
睡眠時無呼吸症候群
閉塞性睡眠時無呼吸患者の周術期管理
齊藤 渓
1
,
磯野 史朗
1
Kei SAITO
1
,
Shiroh ISONO
1
1千葉大学医学部附属病院麻酔・疼痛・緩和医療科
キーワード:
STOP-BANG問診
,
sleep study
,
周術期管理
Keyword:
sleep study
pp.1133-1138
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1133
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Summary
▪閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を合併した手術症例は,全身麻酔導入時の気道確保困難,術後の上気道閉塞,OSAに合併しやすい疾患(虚血性心疾患・脳血管障害など)の増悪などのリスクが高い.
▪術前におけるスクリーニングと夜間簡易酸素飽和度モニタを用いた重症度評価,術中の慎重な気道管理戦略と覚醒の速やかな麻酔法の選択,術後の上気道閉塞の対策や呼吸モニタなど,周術期全般にわたっての介入が必要である.
▪術前訪問の際に初めて麻酔科医がOSAを指摘しても,手術予定日までの日程的な余裕がなく十分な対応ができないことも多い.
▪麻酔科医のみでなく,OSA精査以外の理由で術前評価を依頼される内科医からも,OSA評価を重要な術前評価項目として外科医,麻酔科医にフィードバックすることで,周術期患者の安全性と質向上に大きく貢献できると考える.
© Nankodo Co., Ltd., 2017