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閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)患者は,睡眠時の無呼吸・大きないびきなどの他覚的症状に加え,夜間の睡眠障害のための過度の日中傾眠・起床時の頭痛・熟眠感の喪失を訴え,睡眠外来を受診する.現在,これらの患者に対して,減量・歯科装具・nasal CPAPなどの保存的治療法と手術による侵襲的治療法が適宜選択され行われている.この疾患に対する統一的な治療のアプローチは確立されておらず,どの治療法を第一選択とするかは患者背景(肥満の有無・重症度・患者の希望)ばかりでなく,治療に当たる施設や科にも大きく依存しているのが現状である.nasal CPAP療法は,適切な圧力さえ与えられれば,ほとんどの患者の無呼吸を解除でき,最も有効な治療法と考えられる.しかし,初期の治療導入に成功しても,長期使用に伴う副作用のため,実際には期待するほど患者は使用せず,そのcomplianceが問題となっている.他の治療法は,患者の特性により治療への反応は様々であり,通常その有効率の評価も50%改善率などが用いられ,nasal CPAPに比較すると治療効果は不確実であるが,患者のacceptanceがよいのが特徴である.
このうち,手術療法,特に現在最も広く行われている口蓋形成術(UPPP;Uvulopalatopharyn—goplasty)は,患者選択なしに施行された場合その有効率は50%程度にとどまり,これを改善するためには術前に的確に患者選択がなされる必要がある1).基本的に外科的療法は患者の解剖学的異常を矯正するものであり,すべての外科的療法は,患者の解剖学的特性を考慮したうえでなされるべきである.すなわち,OSA患者の場合には,咽頭の解剖学的特性に関する情報を外科的治療適応の根拠とすべきである.
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