連載 専門医に必要な画像診断技術 (第15回)
6 血管造影―形態と灌流
冠状動脈造影
上野 雅史
1
,
宮崎 俊一
2
M. Ueno
1
,
S. Miyazaki
2
1近畿大学循環器内科
2済生会富田林病院
pp.211-219
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu73_211
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虚血性心疾患に対する冠状動脈の形態評価法は,主にCT検査と直接冠状動脈を造影する侵襲的冠状動脈造影検査法がある.最近では外来でも簡便にできることや,高い感度,陰性的中率などから冠状動脈CT検査施行例が増加してきている.しかし,陽性的中率が低い点は問題で,その要因は石灰化やモーションでのアーチファクトなどが考えられている.ガイドラインにおいては,高度狭窄病変では侵襲的冠状動脈造影検査の適応とされており,評価困難な中等度狭窄病変には追加での負荷検査や冠状動脈造影検査が必要と示唆されている.侵襲的冠状動脈造影検査は虚血性心疾患の有無,重症度の診断を行い,得られた結果により最適な治療法を選択することなどを目的に行われる.冠状動脈造影検査は狭窄,閉塞,拡張病変などの存在の有無,部位,分布,程度を評価でき,CTやMRIなどの冠状動脈形態評価が進歩してきた今日においても,冠状動脈病変診断のゴールデンスタンダードである.
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