1枚のシェーマ
悪性胸水を伴う肺癌に対する胸膜肺全摘除術
加賀 基知三
1
1北海道大学病院呼吸器外科
pp.196
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu73_196
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50歳代,男性(外科医).胸痛を発症し,胸水の穿刺細胞診より腺癌と術前診断された.cT3(胸壁浸潤)N0M1(悪性胸水)であった.本人の強い意向により,本人も交えてキャンサーボードを開いて手術を決定し,悪性胸水を伴う肺癌に対して左胸膜肺全摘術を施行した.今までの経験で得たあらゆる技術をつぎ込んだ手術であったが,切除標本の組織学的診断は多形癌で,術後早期に再発し原病死した.手術適応は正しかったのかと悩んだ末,これからも可能性を追求することを誓った症例となった.
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