1枚のシェーマ
切除側気管支に術野挿管して呼吸管理しえたスリーブ左全摘
吉野 一郎
1
1千葉大学呼吸器外科
pp.538
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu71_538
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本例は,左主気管支から気管分岐部の腺様囊胞癌の患者である.左主気管支は二重にステントが挿入されていたため,術前に気道管理ができておらず粘稠な喀痰が貯留していた.このためスリーブ左肺全摘の際の術中の酸素化法として,左主気管支ではなく左下幹気管支に小孔を設け(左上肺静脈をテーピング),術野挿管を行った.耳鼻科用の小径吸引管で貯留喀痰を吸引・除去すると,両葉とも拡張良好で酸素化も良好であった.この操作を円滑に行うためには,左主気管支の切除端縫合による気密化が必要であり,また右主肺動脈を二重テーピングしてシャントを抑える補助操作が有効であった.気管・右主気管支の吻合は,術野挿管に遮られることなく円滑に行えた.オリジナルの手術スキームを図1,2に示す.
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