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がん治療は日々進歩し,がんと共に生きる人々も増えています.しかし,1986年以降,日本人の死亡原因の第1位は依然として「がん」であり,生涯でがんにより死亡する確率は,男性24.7%(4人に1人),女性17.2%(6人に1人)にのぼります.人生の最期に寄り添う看護師の役割は,大きいといえるでしょう.
「グリーフ」とは,大切な人を亡くしたときに生じる悲しみや混乱,さまざまな心身の反応を指します.がん医療におけるグリーフケアは,遺族の心理社会的支援にとどまらず,死別を経験した医療者自身の心のケアも含む,多層的で継続的な課題です.患者と家族の人生に深くかかわるがん看護において,死別後に生じる悲嘆への支援は,臨床実践の質を支える基盤であり,同時に医療者の専門性を持続的に支える営みでもあります.
本特集では,家族・遺族と医療者それぞれの悲嘆とケアのありかたを俯瞰し,両者をつなぐ実践として注目される「デスケースカンファレンス」の意義を改めて考えます.デスケースカンファレンスは,故人を偲び,遺族の思いを受け止め,医療者が互いの感情を分かち合う場であり,遺族と医療者双方にとって悲嘆を統合する契機となりえます.さらに,ケアの質向上やチーム力の強化にもつながり,患者家族・遺族と医療者をつなぐ実践として発展が期待されます.
本特集の構成としては,まず総論として,がん看護における悲嘆へのケアとグリーフケアの意義,日本における悲嘆研究と実践の動向,そして臨床現場からのグリーフケア教育についてわかりやすく解説します.そのうえで,家族・遺族へのグリーフケア,医療者へのグリーフケア,さらに両者をつなぐケアとしてのデスケースカンファレンスの実際を紹介します.
本企画が,がん看護に携わる皆さまにとって,臨床におけるグリーフケアの多様なアプローチを理解し,日々の実践や教育活動に活かす一助となることを願っています.

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