特集 パーキンソン病診療最前線
特集にあたって
服部 信孝
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1順天堂大学大学院医学研究科神経学教授/順天堂大学大学院医学研究科老人性疾患病態・治療研究センター副センター長
pp.7-7
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.37.04_0007-0007
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本特集は,「パーキンソン病診療最前線」のタイトルでおわかりのように成因研究から始まりチーム医療の在り方まで診療に不可欠と思われる項目についてエキスパートの先生方にお願いした。2015年にMovement Disorders Society(MDS)のタスクフォースによる診断基準の発表,2018年に刊行された神経学会ガイドライン委員会による『パーキンソン病診療ガイドライン2018』とパーキンソン病の診断基準そのものが大きく変わった。また,イメージング検査の進歩は目覚ましいものがあり,わが国から発信したMIBG心筋シンチグラフィーの有効性,変性疾患としてのパーキンソン症候群と他のパーキンソン症候群を鑑別できるDATスキャンなど診断の精度は格段と上がっている。診断基準をとっても以前用いられていたUK Brain Bank Criteriaとの比較検討でも新しいMDSの診断基準の精度は改善している。今年は新しい元号の始まりでもあり,1817年に震顫麻痺が報告され202年目を迎えた。パーキンソン病の治療は新時代を迎えており,疾患修飾療法の開発,遺伝子治療,再生医療と枚挙にいとまがない。
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