特集 退院後を見据えたがん患者のスキンケア
がん患者にみられるそのほかの皮膚症状とスキンケア
がん患者に発生する失禁関連皮膚炎
眞﨑 健太
1
Kenta MAZAKI
1
1国立がん研究センター中央病院/皮膚・排泄ケア認定看護師
pp.599-602
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_599
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はじめに
がん患者は治療や疾患の影響により皮膚が脆弱であり,加えて治療や疾患の影響で排尿・排便コントロールが困難になることもあり,容易に失禁関連皮膚炎(incontinence associated dermatitis:IAD)が発生する.IADとは,「排泄物(尿または便,あるいは両者)の付着に関連して生じる皮膚障害」と定義されている1).好発部位は肛門および肛門周囲,外陰部/陰囊,殿部,尾骨部,大腿部であるが,尿や便の失禁の程度により下腹部や鼠径部に生じることもある.

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