看護用具の工夫
失禁患者の便尿器の工夫
池田 宏子
1
1姫路赤十字病院
pp.70-71
発行日 1969年12月1日
Published Date 1969/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914716
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長期の入院患者で,自力運動が不可能な患者は,常時両便失禁を招いている。そのため患者は著しく不快感を伴い,たびたびの保清が必要である。これらの患者は,常に清潔な環境のなかで療養することを望んでいながらも,看護者に対する気の配りもまた大きいものである。これらを解決し,少しでもその環境をよくするための方法として,私はそれぞれの疾患に適応した器物を考案してみた。
まず,右大腿頸部骨折,78歳の老婦人を例にとって述べてみる。この患者は,両便失禁のため他人の助けによらなければ身体を動かすことができない。日に数十回におよぶおむつ交換をするこの患者に対して,廃物利用の容器(某洗剤:100円)を,陰部に密着させ持続的に排泄させる方法を試みた。ここで特に注意したのは,陰部に密着させる容器である。これは,某洗剤の空容器を写真1の如くカーブを画いて切りとる。もちろん,陰部に合わせて切りとることが肝要である。切り口は,皮膚と接する時の疼痛軽減を計るため,周囲に布絆創膏を貼った。
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