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投稿 研究報告
EGFR阻害薬による爪囲炎およびセルフケアの実態調査
Paronychia according to anti-EGFR antibody and self-care: observational study
柳 朝子
1
,
新井 美智子
2
,
髙島 淳生
3
,
望月 留加
4
,
佐藤 正美
5
Asako RYU
1
,
Michiko ARAI
2
,
Atsuo TAKASHIMA
3
,
Ruka MOCHIZUKI
4
,
Masami SATO
5
1国立がん研究センター中央病院 看護部
2国立がん研究センター中央病院 看護部
3国立がん研究センター中央病院 消化管内科
4東京慈恵会医科大学 医学部看護学科
5東京慈恵会医科大学 医学部看護学科
キーワード:
paronychia(爪囲炎)
,
epidermal growth factor receptor inhibitor(EGFR阻害薬)
,
self-care(セルフケア)
Keyword:
paronychia
,
epidermal growth factor receptor inhibitor
,
self-care
pp.571-576
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_571
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爪囲炎はEGFR阻害薬の特徴的な有害事象であり日常生活に支障をきたし,治療中止の原因となるため,適切な症状マネジメントが重要である.しかしながら,爪囲炎の詳細な実態や爪囲炎に対するセルフケアの実態は明らかではない.本研究の目的は爪囲炎およびセルフケアの実態を明らかにすることである.対象は,大腸がんまたは頭頸部がんに対しEGFR阻害薬を投与中の患者とし,爪囲炎症状およびセルフケアの実施状況を調査した.2017年7月から2018年6月において対象者56名中,grade1以上の爪囲炎の発現割合は62.5%,grade2以上の爪囲炎は41.0%であった.爪囲炎の発現部位は足趾では母趾に,手指ではさまざまな指に発現していた.また爪囲炎に特徴的なケア(皮膚刺激の除去,爪のスクエアカット)は基本的スキンケア(保湿,保清)に比べて実施割合が低く,これらのケアを継続するためには医療者の継続的な支援が必要と考えられた.悪化防止として実施するテーピング法とハイドロコロイド保護法はともに実施割合が50%以下であったが,ハイドロコロイド保護法の継続割合は80%と高く,患者にとって継続しやすいケアであることが示唆された.
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