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●治療の全体像と薬物療法
●急性骨髄性白血病の治療●
●根治的強力化学療法の対象となる患者●
・3+7療法による寛解導入療法→大量シタラビン(high-dose Ara-C:HDAC)療法等による地固め療法が,急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の標準治療である.
・遺伝子学的リスクや治療反応およびドナーの有無に応じて,同種造血幹細胞移植を行う.
・急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia:APL)と呼ばれる特殊なタイプには全トランスレチノイン酸(all-trans retinoic acid:ATRA)療法および亜ヒ酸(arsenic trioxide:ATO)療法が行われる.
●根治的強力化学療法の対象とならない患者●
・ベネトクラクス+アザシチジン(VEN+AZA)療法が標準治療として行われる.
●再発難治例●
・FLT3遺伝子変異陽性例には,FLT3阻害治療が適応である.
・FLT3遺伝子変異陰性例には,上記治療から交叉耐性の少ない組み合わせによる治療が試みられる.
●急性リンパ芽球性白血病の治療●
●根治的強力化学療法の対象となる患者●
・寛解導入療法→地固め療法→2年目までの維持療法が,急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)の標準治療である.
・遺伝子学的リスクや治療反応およびドナーの有無に応じて,同種造血幹細胞移植を行う.
●根治的強力化学療法の対象とならない患者●
・現時点で標準治療は存在しないため,緩和的治療が行われる.
●再発難治例●
・二重特異性T細胞誘導(bispecific T-cell engager:BiTE)療法や抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)療法が行われる.
・25歳以下のCD19陽性症例ではキメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptor T-cell:CAR-T)療法が選択肢となる.
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