増刊号 誰でもわかる遺伝子検査
Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか
3.応用編—遺伝子検査を利用する
2)悪性腫瘍
(1)急性白血病
三谷 絹子
1
1獨協医科大学血液内科
pp.1066-1069
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906361
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はじめに
血液疾患の臨床の場において汎用される遺伝子診断の技術は,サザン解析(Southern analysis),RT-PCR(reverse transcription-polymerase chain reaction,逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)法,SSCP(single-strand conformation polymorphism,一本鎖構造多型解析)法である.これらの技術は,造血器腫瘍の詳細な病型分類を可能にするとともに,予後の予測・治療方針の決定に絶大な威力を発揮する.さらに,PCR法は微少残存病変(minimal residual disease;MRD)の検出にも極めて有用な検査である.急性白血病では,骨髄中の芽球が5%未満の状態を完全寛解と定義している.しかしながら,これは白血病が治癒したことを意味せず,残存白血病細胞が再増殖すれば再発につながる.したがって,治療効果を正確にモニターするために,微少残存病変の検出は重要である.
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