特集 “便秘”最新の治療とアセスメント ~ケア向上のためのエッセンス~
事例
便秘について患者とともに考え支援し続けた事例 ~多職種とともに介入しかかわることで排便効果も得られQOL (Quality of Life)が向上する~
加治佐 直子
1
Naoko KAJISA
1
1市立芦屋病院看護局看護科,緩和ケア病棟
pp.42-44
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_42
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
事例提示
患者情報
B氏,70代.女性,直腸がん,リンパ節転移.
経過
術後補助化学療法後,膀胱内再発,化学療法を再開したが,腎機能低下により化学療法は中止となった.左腰背部に痛みあり(NRS 2~1)アセトアミノフェン錠1,500 mg/日を内服中.痛み,便秘,便秘による食欲低下のため,自宅での療養が困難になり入院となった.
入院時アセスメント
・腫瘍による腸管外からの腸管圧迫や,直腸がん術後の内臓神経障害や腸管癒着による腸蠕動の低下がある.化学療法に起因する腎機能低下による電解質異常がある. ・リンパ節転移による左腰背部の痛みと,食欲低下がある.ADL低下に伴いベッド上排泄(PS2~3)で,しっかりといきむことができないため排泄困難がある. ・排便は毎日あるものの,1回の排泄量は小指大の硬便程度(ブリストル便形状スケールで評価)で,排泄後も「すっきり」感がない.
腸内に便が停滞していることで下腹部不快感が持続し,精神面にも意欲の低下がみられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2023