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特集 QOL(クォリティ・オブ・ライフ)
Quality of Life(QOL)の意味するもの―Rehabilitationとの関わりについて考える
Concept of "Quality of Life" and Rehabilitation of the Handicapped Person
砂原 茂一
1
Shigeichi SUNAHARA
1
1国立療養所東京病院
1Tokyo National Chest Hospital.
pp.507-512
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103373
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Ⅰ.ADLからQOLへ
PT,OTはrehabilitation(以下リハと略する)医療の技術者である.ところで技術はそれ自身目的であることはできないから奉仕すべき目標,理念,哲学をもたなくてはならない.また技術は日に日に進歩することが期待されるが同時には多かれ少なかれの限界が存在することも覚悟しなくてはならないであろう.
1950年代初めKrusenらの努力によってアメリカ医師会が物理医学(physical medicine)を1つの専門科(specialty)として承認したわけだが,Ruskはそれを大きな進歩であると認めながらも重要な非身体的側面―“感情的,社会的,教育的,職業的”訓練を取りこぼしてはならないとして“リハ”を追加して“physical medicine and rehabilitation”と改めることを強く求めてついに成功したという経過1)を思い出すだけでもPT,OTが単なる医学技術者ではなく,ほかならぬリハの技術者つまり人間の技術者としての自覚を持ち続けなくてはならないことは当然と言わなくてはならない.つまりPT,OTの直接的な技術的関わりは個別身体機能の回復に存することは明らかだとしても,それと共に,あるいはそれを通じて障害者の全人間性―精神的,心理的,文化的,社会的存在としての人間のありように深く関わらなければならないはずである.
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