特集 “便秘”最新の治療とアセスメント ~ケア向上のためのエッセンス~
化学療法中の患者の排便マネジメント ~抗がん薬治療を継続するために,排便マネジメントが大切~
田中 恵里香
1
Erika TANAKA
1
1埼玉県立がんセンター看護部
pp.30-34
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_30
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はじめに
便秘は,がん化学療法の代表的な有害事象である.また,化学療法を行っている患者は,有害事象による悪心・嘔吐から食事摂取量・水分摂取量が低下し,また倦怠感による活動量が減少するなど便秘が悪化しやすい.加えて,オピオイド内服や支持療法の制吐薬,止痢薬なども便秘を増悪させる可能性がある.
このように化学療法中は,常に排便マネジメントが必要となる.加えて,便秘や下痢といった排便状況の変化は患者の不安につながることも多く,患者への看護が求められる.化学療法を患者が安心して継続できるように支援していくためには,患者自身が有害事象への対処方法について理解することが大切である.患者自身がその症状を理解することが早期発見につながるため,適切に対処できるセルフケア能力を習得することが非常に重要である1).
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