増刊号 実践に活かすアドバンス・ケア・プランニング
第Ⅱ章 ACPを実践する
ACP支援における患者との対話・コミュニケーション
小山 富美子
1
,
近藤 まゆみ
2
1神戸市看護大学/がん看護専門看護師
2北里大学病院看護部/がん看護専門看護師
pp.115-118
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_115
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はじめに
がん患者が厳しい状況に置かれているときにこそ,看護師がそばに寄り添い,患者や家族と対話やコミュニケーションをとることはたいへん重要な役割であるが,ACPに関する対話は人生の最終段階における内容を含むため,コミュニケーションにむずかしさを感じることも少なくない.そのため,看護師にとっては気が重く,場合によっては足がすくむような緊張を伴うものとなる.しかし,看護師が,一歩踏み出して対話を始め,患者や家族を気遣いながら対話を積み重ねることは,双方の間に理解と癒される感覚をもたらし,この先に待ち受ける苦難をともに乗り越えるパートナーとしての関係性を築く一歩となる.そして,最期の大切な時期におけるさまざまな選択に直面する患者とその家族が,納得して前に進む力を支えることにつながる.
ここでは,ACP支援において,看護師が何について,どのように対話をするのか,対話場面を紹介しながら解説する.
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