連載 スピリチュアルケアを学ぼう! 【4】
スピリチュアルケアとは何をどうすることなのか
上山 ゆりか
1
Yurika UEYAMA
1
1藤田医科大学保健衛生学部臨床看護研修センター
pp.811-814
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_811
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はじめに
あなたは「スピリチュアルケア」と聞くと,何を思い浮かべるだろうか.最近ではティグニティセラピーなどの心理療法や,スピリチュアルケアに関連するさまざまな研修や専門認定制度なども存在する.また,従来からある牧師や僧侶など宗教家によるパストラルケアもスピリチュアルケアの1つだろう.この連載で述べるスピリチュアルケアは,必ずしも専門家による特別なものではない.それは,看護師や医師,薬剤師,理学療法士,介護ヘルパー,ケアマネジャーなど医療福祉に従事する者に限らず,家族や友人でも実践することが可能である.
医療従事者のうち,とくに看護師は,患者のベッドサイドにいく機会が多く,日常の業務の中で患者のスピリチュアルペインに遭遇する機会は少なくない.そのため,臨床でスピリチュアルケアを実践することが求められている.しかし,看護師は,生きる意味のなさを訴えるがん患者に,どのようにスピリチュアルケアを行えばよいのか分からず自信がなく,困難を抱えていると言われている1).本稿では,スピリチュアルペインへの「ケア」とは,何をどうすることなのかをテーマに述べる.
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