特別寄稿
コロナ禍における臨地実習,Web活用への挑戦 ~リアル感を工夫して~
菅 多恵子
1
,
吉田 恵理子
2
SUGA Taeko
1
,
YOSHIDA Eriko
2
1社会医療法人春回会 出島病院看護部/認定看護管理者
2長崎県立大学シーボルト校 看護栄養学部看護学科
pp.609-613
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_609
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はじめに
当院は緩和ケア病棟37床を有する独立型緩和ケア病院である.がんに罹患した患者が急性期での治療を終了し,パフォーマンスステータス(PS)が下がり始め,ケアが必要となる頃から当院の面談の門をたたく.そんな終末期の患者・家族が感じるつらさや苦痛の軽減を図り,患者が住み慣れた地域で療養できるよう,在宅での看取りも選択できる地域完結型の緩和ケアを提供している.
2020年1月,わが国で初めての新型コロナウイルス感染症患者が報告されてから,2021年12月までの累計感染者は1,723,033人,死亡者は18,357人となった.この感染症は,教育,経済,働き方,娯楽など多方面に大きな影響を及ぼし,人の生活スタイルを一変させた.2020年8月,10月から開始する長崎県立大学の成人看護学実習(緩和ケア実習)の具体的内容を検討する時点での日本国内累計感染者数は6万人を超え,臨地実習を中止しなければならない事態となった.そのようななか,コロナ禍においても患者の安全を守りつつ,学生の学びの歩みを止めないためにはどうしたらよいのか,私たちにできることは何かを大学教員と検討を重ね,コロナ禍でも継続可能なオンライン実習(図1)を行うことができたので,その取組みを紹介する.
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