連載 「形態機能学」で看護教員が教えられること・4
食べる
柳田 徳美
1,2
1東京都立府中看護専門学校
2前東京都立広尾看護専門学校
pp.392-397
発行日 2011年5月25日
Published Date 2011/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101759
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本連載では,東京都立看護専門学校7校で計画・立案した「形態機能学」のなかから5項目について,その具体的内容とその実行過程での教員の葛藤を紹介する。なお,計画・立案にあたっては,聖路加看護大学の授業内容や同大学編『形態機能学演習の手引き』を参考にさせていただいた。
単元のとらえ方および授業計画
この単元は,形態機能学IV(1単位)30時間の内,日常生活行動「食べる」という内容で10時間が配分されている。従来の解剖生理学では,口腔・咽頭・食道の構造と機能や胸部にある臓器,消化器系の機能と構造として教授されてきた部分である。授業概要・授業計画の詳細は,1号の特集『「看護教員が教える形態機能学」への道』原稿(看護教育,52(1)10─11および21)を参照されたい。
食べることは,生命の維持や健康の保持・増進を促し,日常生活のなかで,成長や発達を育む営みである。栄養素の摂取によって,生命を守り育てるという,食べることの生理的意義を理解し,食に関わる援助の根拠を理解するための解剖生理学を看護の視点で教授する。「食べる」という日常生活行動は,身体のどの器官を使い,どのような仕組みで成り立っているのかを学ぶ。身体の構造や機能が障害されると,身体にどのような変化が起こるのか,それは「食べる」という日常生活行動にどう影響するのか,さらに,生きることにどう影響するかを考え,理解する必要がある。そのためには,正常な状態を知るとともに異常になった状態を理解し,知識を深めていかなければならない。
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