特集 老年科
【高齢者診療の「要」】
7.アドバンス・ケア・プランニング(ACP)—急性期病院の医師だからこそ,ACP力が必要!
吉野 かえで
1
,
平岡 栄治
1
Kaede YOSHINO
1
,
Eiji HIRAOKA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.645-661
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900483
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医療倫理の4原則の1つは自己決定権の尊重である1)。従来の医療は医師主導(パターナリズム)で方針が決定されていたが,現在は,“Shared Decision Making”(患者と医療者で情報を共有し,ともに意思決定を行う)の重要性が認識されている2)。一方,「急変」した高齢患者が日々搬送される病院では,依然として患者本人の意思不在のまま,救命治療・延命治療が行われている。
本稿で取り上げる,アドバンス・ケア・プランニングadvance care planning(ACP)とは,病気や認知症などで意思決定能力がなくなった場合に備えて,患者,家族や友人,医療従事者が前もって話し合い,本人の価値観を共有する「過程」である。患者の意思決定能力が失われたあとでも,「こんな時,○○(患者)なら何を望むだろう」と医療者や家族が考え,最終的に患者の意向に沿った医療が実践されることが目的である。ACPは,医療者が必ず習得すべき技術である。
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