特集1 いま知っておきたい! がん治療薬12 ~くすりを知ればケアがよくなる~
特集1にあたって
野村 久祥
1
,
角甲 純
2
1日本医療研究開発機構 臨床研究・治験基盤事業部 臨床研究課
2広島大学大学院医系科学研究科 老年・がん看護開発学/がん看護専門看護師
pp.1-1
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_1
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- 文献概要
がん治療薬は,抗がん治療の中心的役割を担い,その開発が次々に進められています.近年では,治療の場は入院から外来へと移行しつつあり,外来通院治療や経口抗がん薬によって,「普段の生活リズム」を維持しながら抗がん治療を受けられるようになってきました.「普段の生活リズム」を維持しながら抗がん治療を継続して受けたいという思いは,抗がん治療中の患者さんのQuality of Life(QOL)の維持につながり,その思いを支援することが看護師に期待される役割の1つです.一方で,次々と新規がん治療薬が登場し,臨床ではそのアップデートに追われている現状もあるかと思います.
そのため,本特集では,以下の2点を目的に,編集を試みました.
①発売から3年以内の新規薬剤,ならびに投与時と副作用マネジメントに注意を要するがん治療薬の「基礎知識」を身につけること ②「普段の生活リズム」を維持するために必要な看護を提供できるようになること
具体的には,まず,①について,薬剤師に薬剤情報,投与前の確認ポイント,治療法の選択の根拠と臨床試験での副作用の報告についてまとめていただきました.次に,②については,看護師に看護のポイントとして,観察ポイント,患者の生活上の注意点,具体的に実践されているケア,専門家につなぐ局面についてまとめていただきました.
本特集が,臨床でがん看護の現場で活躍される看護師の皆さまの看護実践の参考となり,抗がん治療中の患者さんのQOLの維持につながりますと幸いです.
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