今月の症例
AYA世代舌がん患者の術前術後の看護
清水 知美
1
Tomomi SHIMIZU
1
1独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター看護部/緩和ケア認定看護師
pp.690-694
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_690
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はじめに
口腔には,咀嚼・嚥下,話す,表情をつくるという役割がある.口腔がんは全がんの約3%であり,罹患数は少ないが,治療の侵襲は人のQOLに大きな影響を及ぼす.また,60歳代に多く,男女比は3:2であり,舌がんが60%を占める.
口腔がんの看護では,治療による機能障害を把握し,食事や会話,ボディイメージにかかわる苦痛や不安をできるだけ緩和しながら,QOLの向上を目指すことが必要となる.
当院では,年間約80件の口腔がんの手術を行っているが,そのうち約77%が60歳以上である.患者の年代により治療経過は異なり,より個別的な支援が必要となる.
今回,口腔がんの中でもとくに罹患数の少ない,AYA世代(adolescent and young adult;思春期・若年成人)の舌がん患者の看護を経験できたため,看護の実際と支援について報告する.
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