連載 患者の治療と「食べる・話す」を支える がん患者の口腔ケア 【最終回】
口腔のアセスメントを適切な口腔ケアにつなげるために
上野 尚雄
1
1国立がん研究センター中央病院 歯科
pp.559-563
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_559
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はじめに
がん患者さんに起こるさまざまな「お口の困りごと,お口の痛み」を,どう支えていくか.本連載では口腔のトラブルに対して看護師が適切な介入を行うためにもっとも重要な「口腔アセスメントのコツ」についてこれまで述べてきました.
しかし,アセスメントはゴールではなく,スタートです.せっかくのアセスメントも,適切な対応につなげることができなければ,何の意味もなくなってしまいます.「結局口の中がどう痛かろうと,どうせできることはうがいと軟膏しかないから,アセスメントをがんばっても今までとやることは変わらないのでは?」では困ります.
連載最終回の本稿では,評価した口腔の内容を具体的にどう対応につなげるか,がん治療中に起こる口腔トラブルの中で頻度が高い「口腔粘膜炎」をベースにご説明します.また,看護介入の質を上げるための歯科とのコラボレーションの有用性と,円滑な連携のコツについてお伝えしたいと思います.
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